愛犬の困った行動に悩んでいた頃、
私は「トレーニングが必要なんだ」と思い、プロに頼ることを決めました。
吠える。
興奮する。
引っ張る。
苦手なことが多い。
落ち着けない。
そんな様子を見るたびに、
「私がちゃんと教えられていないからだ」
「もっと良い方法を学ばなきゃ」
そう思っていたのです。
これまで私が経験してきたトレーニングや学びは、
良かったことも、苦しかったことも、遠回りだったことも含めて、
我が家の場合はすべて必要な経験だったと感じています。
なぜなら、その経験があったからこそ、
今の私が「我が子に合った情報」を選ぶための視点にたどり着けたからです。
トレーニングと学び
私が経験してきたトレーニングと学び

今の私が思う犬育てに
取り入れたいと感じている度合いを
あくまで我が家の経験と主観として
★でまとめてみました。
1,昭和からある主従や上下 ★☆☆☆☆
昔からある、主従関係や上下関係を重視する考え方。
いわゆる飴と鞭やマインドがベースにあるトレーニングです。
我が家の場合、この考え方は合いませんでした。
困った行動が悪化する可能性だけでなく、
愛犬との関係そのものが崩れてしまう怖さを感じました。
犬を従わせることよりも、
まず安心してもらうこと。
信頼関係を壊さないこと。
今の私は、そちらを大切にしたいと感じています。
2,行動の仕組みを元にしたポジティブトレーニング ★★★☆☆
行動の仕組みを学ぶことは、とても大切でした。
どういう時に行動が増えるのか。
どんな結果がその行動を強めているのか。
おやつや褒めることを、どう使えば伝わりやすいのか。
それを知ったことで、
犬の行動を感情論だけで見なくなったのは大きな学びでした。
愛犬を迎えたら、まず、必ず学びたい内容だと感じています。
ただ、拗らせていた我が家の場合、行動の仕組みを知った後も
「おやつを使っているから優しい」
「叱っていないから安心」
とは言い切れない難しさも感じました。
関係が崩壊するような怖さは少なくても、
やり方やタイミング、その子の状態によっては、
興奮を強めたり、かえって負担になることもありました。
ポジティブな方法であっても、
愛犬の心の状態を見ずに進めてしまうと、
悪化の可能性を秘めているのだと感じました。
3,ハズバンダリー ★★★☆☆
ハズバンダリーは、
苦手なことをスモールステップで進めていくトレーニングです。
主にお手入れや動物病院でのケアなどに使われることが多い方法ですが、
私はこの考え方の中に、
「トレーニング」と「犬育て」の両方に通じるものを感じました。
無理に我慢させるのではなく、
犬の様子を見ながら少しずつ進める。
苦手なことに対して、
犬自身が「大丈夫かも」と思える経験を積んでいく。
その視点は、とても大切だと感じています。
4,コーポレーティブケア ★★★★☆
コーポレーティブケアは、
苦手なことをただ受け入れさせるのではなく、
犬に協力してもらえるようにアプローチしていく考え方です。
お手入れやケアを、
「されるもの」から「一緒に取り組むもの」に変えていく。
これは私にとって、
愛犬をひとりの存在として尊重する学びにつながりました。
5,アセスメント ★★★★☆
アセスメントは、
目の前の行動だけを見るのではなく、
愛犬が本当は何を求めているのかを探っていく視点です。
吠えているから止める。
引っ張るから直す。
興奮するから落ち着かせる。
そうではなく、
なぜそうしているのか。
何に困っているのか。
何が足りないのか。
そこを探ることが、
我が家にはとても必要でした。
6,アフェクション ★★★★☆
アフェクションは、
穏やかさを共有するコミュニケーションとして、
私がとても大切に感じたものです。
何かを教える時間だけが、愛犬との関わりではありません。
ただそばにいる。
安心して触れ合う。
落ち着いた空気を一緒に感じる。
そういう時間が、
愛犬の心を支える大切な土台になるのだと感じています。
7,ボディランゲージ ★★★★☆
犬のボディランゲージを知ることは、
愛犬の言葉を知ることでもありました。
耳の向き。
目線。
体のこわばり。
口元。
しっぽ。
動きの速さ。
それまで見過ごしていた小さなサインの中に、
愛犬の「怖い」「迷っている」「もう少し距離がほしい」が
たくさん隠れていたのだと思います。
言葉で話せない愛犬の声を、
少しでも受け取れる飼い主でありたいと思うようになりました。
8,情動を汲み取ること ★★★★☆
行動だけではなく、
その奥にある心の動きを見ること。
これは、私にとってとても大きな学びでした。
同じ「吠える」でも、
楽しくて吠えているのか、
怖くて吠えているのか、
嫌で距離を取りたくて吠えているのか。
表に出ている行動だけを変えようとしても、
心の部分が置き去りになってしまうことがありました。
愛犬の心を読み、汲み取ろうとすること。
それが犬育てには欠かせないと感じています。
9,犬の習性について ★★★★☆
犬という動物が、本来どんな暮らしをして、
どんな行動を自然なものとして持っているのか。
それを知ることも、とても大切でした。
においを嗅ぐこと。
探索すること。
休むこと。
安心できる場所を持つこと。
無理に近づかない選択ができること。
人間の暮らしの中で「困った行動」と見えていたことの中にも、
犬としては自然な欲求や必要な行動があったのだと思います。
10, 犬の習い事 ★★★★☆
犬の習い事も、
我が家にとって良い経験になった部分があります。
本能的に楽しめるもの。
飼い主と一緒に取り組めるもの。
できた・できないだけではなく、
愛犬がその時間を楽しめるもの。
そういう取り組みは、
愛犬との関係を豊かにしてくれるものだと感じています。
11.飼い主の思考 ★★★★★
そして、私が何より一番大きかったと感じているのは、
飼い主である自分自身の思考を塗り替えることでした。
犬を変える前に、
私の見方を変えること。
できない子として見るのではなく、
困っているかも知れないという捉え方。
直す対象として見るのではなく、
理解したい相手として見ること。
「ちゃんとしつけなきゃ」から、
「この子に合った暮らしを一緒に考えよう」へ。
この思考の変化が、
我が家の犬育てにとって一番大きな転機だったように思います。
良いものを取り入れるなかで気づいたこと
犬との暮らしについて学ぶなかで、ここでは紹介しきれないほど、さまざまな方法や考え方に出会い、
犬の本能に沿った習い事、心と体を満たすためのペットサービスなど。その一つひとつがとても魅力的で、愛犬のために色々と取り入れたくなりました。
けれど、どれほど良いとされているものでも、別の部分で、愛犬の負担になってしまう場合もあったのかもしれません。
振り返ってみると、学ぶことや経験させることに一生懸命になるあまり、
日常の過ごし方や関わりの土台ができているのかを見極める事や、
愛犬がゆっくり休む時間、何もせずに過ごす時間への配慮が足りなかったように思います。
「愛犬のために」
取り入れることだけでなく、あえて何もしない時間を大切にすることも、愛犬との暮らしには必要だったのではないかと感じています。
この経験については、別の記事で
「愛犬の休息時間の大切さに気づいたはなし。」として、もう少し詳しく書いてます。
「トレーニングじゃないんだよな」と言われた意味
トレーニングが必要だと必死にがんばった数年。
だけど「トレーニングじゃないんだよな・・・。」
そうおっしゃる専門家の方が時々いらっしゃっいました。
当時の私は、その言葉の意味がよくわかりませんでした。
だって、困った行動がある。
だからトレーニングが必要。
そう思っていたからです。
でも今は、その言葉の奥にあったものを、
少し理解できるようになった気がしています。
日常の中で起きていた我が家の困った行動は、
ただ別の行動を教えれば解決するものばかりではありませんでした。
愛犬が何に困っているのか。
どんな環境が負担になっているのか。
何が安心につながるのか。
どんな暮らし方が我が家に合っているのか。
そこを飼い主である私が理解し、
我が家の育て方を考えていくことで、
少しずつ変わっていく部分だったのだと痛感しています。
根本改善に必要だったのはトレーニング2割 その他8割

我が家の経験で言えば、根本改善に必要だったのは、
トレーニング2割、その他8割くらいの感覚です。
先にあげた
主従や上下の考え方、
行動の仕組みを元にしたトレーニング、
ハズバンダリーなどは、
行動を変えたり、教えたり、苦手を克服したりするために必要な方法です。
それらが役立つ場面もたくさんありました。
けれど「行動を変える、教える」「苦手を克服させる」という方向だけでは、
根本改善までたどり着かない難しさも感じました。
今の私は、
それ以外の学びや思考こそが大切だったと感じています。
愛犬の心を知ること。
犬という動物を知ること。
暮らしの環境を整えること。
飼い主の思い込みを見直すこと。
休む時間や安心できる時間を守ること。
本質に近づけば近づくほど、
私が探していた答えは、
いわゆる「トレーニング」から少し離れたところにあったのかもしれません。
難しいことを全部覚えなくても、きっと大丈夫
トレーニングなんてしなくても、
愛犬と良い関係を築けている方はたくさんいます。
今なら、それもすごく納得できます。
もちろん、学ぶことは大切です。
知って良かったことも、
愛犬の犬生をより豊かにするヒントもたくさんありました。
でも、難しいことを幅広くたくさん覚えなければ、
犬と幸せに暮らせないわけではない。
それが、今の私の率直な感覚です。
大切なのは、
目の前の愛犬をよく見ること。
その子に合った暮らしを考えること。
飼い主自身の思い込みに気づくこと。
そして、愛犬と一緒に安心できる時間を増やしていくこと。
根本改善に必要だった部分を、
きれいに言葉にするのはとても難しいです。
だけど、我が家の赤裸々な経験談から、
同じように悩んでいる誰かに
何か少しでも見えてくるものがあれば嬉しいです。

お勉強が苦手なママがたくさん勉強してたよね

知って良かったこと、たくさんあったよね
この記事は、いち飼い主としての私の体験談と主観で書いています。特定の方法や取り組みを否定したり、
誰かを責めたりする意図はありません。
どの方法が合うかは、
犬によって、家庭によって、状況によって違うと思います。
これは、我が家が遠回りしながらたどり着いた
ひとつの体験談として受け取ってもらえたら幸いです。。



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