「愛犬の吠えや突進は、どうしたら治ったのか?」
愛犬の困った行動が少しずつ改善へ向かった背景には、
いくつもの小さな見直しがありました。
一言で表すなら、
飼い主の私が困っていた行動は、実は愛犬自身が困っている姿だった。
我が家の場合、これに尽きるような気がしています。
愛犬の吠えをどう止めるかではなく、
「何に困っているのだろう」
「どうしたら不安を感じずに済むだろう」
「私が変えられることはないだろうか」
そう考えるようになったことが改善へ向かう一歩だったのです。
安心して休める環境。
散歩する場所や時間。
苦手なものとの距離。
日常での関わり方。
そして、愛犬の個性を尊重すること。
愛犬のことを少しずつ理解し、暮らしや関わり方を見直していく中で、散歩に使う犬具をハーネスへ変えたことも、大切な見直しのひとつでした。

私自身、すっきりしていて、洋服にも合わせやすい首輪の方が好きでした。
それに、首への合図がなくなったら、どうやって愛犬に伝えるのだろう?
愛犬が感じている世界を想像できるようになるまでは、そんなふうに思っていました。
スリップリードでの合図が必要だと信じていた頃
以前の我が家では、散歩中に他犬と目が合うと、激しく吠えたり、勢いよく前へ突進したりすることがよくありました。
私は愛犬を止めなければと思い、リードを短く持ち、こちらへ強く引き戻していました。
愛犬が前へ出ようとする。
私は後ろへ引き戻す。
いつの間にか、愛犬と引っ張り合うことが当たり前になっていたのです。
その頃の私は、首に圧がかかるスリップリードも、愛犬に分かりやすく合図を伝えるために有効な道具なのだと信じていました。
正しく合図を出せば、愛犬にも伝わる。
飼い主の指示を聞けるようになれば、吠えや突進も改善する。
そう思っていたのです。
けれど、改善したくて始めたトレーニングで、我が家の愛犬の行動はさらに悪化していきました。
当時の愛犬に起きていたことや、トレーニングを通して感じたことについては、
こちらの記事に詳しく書いています。
▶犬の吠えを改善したくて始めたトレーニングで悪化した我が家の失敗談
今振り返ると、愛犬にとっては、苦手な環境の中、体にも嫌な感覚が何度も加わる状況になっていたのかもしれません。
「ハーネスで、どうやって教えるの?」
その後、ポジティブトレーニングやハズバンダリートレーニングを取り入れている専門家の方々に出会い、ハーネスをすすめられました。
けれど、当時の私は、
「ハーネスで、どうやって教えるの?」
「首に合図を出さなくても、本当に伝わるの?」
と不安に感じていました。
それまでの私は、犬には飼い主がしっかり教え、
間違った行動を止める必要があると思っていたからです。
ハーネスに変えて、私の関わり方も変わった
ハーネスに変えて見直したのは、吠えたときの止め方ではありませんでした。
「愛犬が吠えなくて済む距離はどのくらいかな」
「どんな環境なら落ち着いて歩けるかな」
「今は近づかずに離れた方がよいかな」
愛犬へ合図を伝えることよりも、愛犬が困らなくて済む方法を考えるようになったのです。
変わったのは犬具だけではなく、愛犬を変えようとしていた私自身の関わり方だったのだと思います。
ハーネスを無理なく使うために
愛犬は、最初からハーネスを喜んで着けられたわけではありません。
特に下のコは洋服もあまり好きではなく、頭や体に何かを通されることにも少し抵抗がありました。
だからこそ、嫌がる愛犬を追いかけて捕まえ、無理に装着するのではなく、愛犬が受け入れられる範囲を大切にしました。
今でも、愛犬が自らハーネスへ鼻先を入れない限り、装着しないようにしています。
少し顔をそらしたら待つ。
いったんハーネスを下げる。
もう一度、自分から近づける位置で差し出す。
愛犬が「絶対にイヤ」と感じる前に、小さな「ちょっとイヤだな」を受け取る。
その積み重ねによって、
「大好きではないけれど、まぁいいよ」
くらいの気持ちで受け入れてくれているように感じています。
必要なことを無理にでもやり切るのではなく、どうすれば愛犬が受け入れられるかを考える。
愛犬が出している小さな「イヤ」を、わがままと決めつけずに受け取る。それも、今の私が考える犬育てのひとつです。
ハーネスに慣れてもらうまでに行った練習や、日常に必要なことを無理なく受け入れてもらうためのハズバンダリートレーニングについては、別の記事で詳しく書きたいと思います。
首輪よりハーネスが正解、ということではありません
首輪を使うこと自体が悪いとは思っていません。
頭を通すことや体を触られることが苦手で、ハーネスの装着が難しいコもいます。
そのコによって、できることも、苦手なことも違います。
首輪よりハーネスが正解なのではなく、今の愛犬が無理なく使えて、安全を守れる犬具を選ぶことが大切なのだと思います。
我が家にとってハーネスへの変更は、愛犬への配慮や環境を見直した中のひとつでした。
散歩する場所を変える。
苦手なものとの距離を取る。
疲れている日は無理をしない。
安心して休める時間を増やす。
装着するときの愛犬の気持ちも置き去りにしない。
そうした小さな見直しを重ねる中で、
「前より少し落ち着いて歩けた」
「自分からハーネスに鼻先を入れられた」
という愛犬の小さな「できた」が、少しずつ増えていきました。
大切だったのは、できないことを無理に克服させることではなく、今の愛犬ができる範囲を見つけ、その中で安心できる経験を積み重ねていくことだったのだと思います。
突進する愛犬のリードを長くする怖さ
ハーネスと一緒に見直したのが、リードの長さでした。
以前の私は、愛犬がいつ突進するか分からないことが怖くて、リードをいつも短く持っていました。
近くにいさせておけば、すぐに止められる。
その方が安全だと思っていたのです。
けれど、リードを短く持ち続けていると、愛犬が少し横へ動いただけでもリードが張ります。
立ち止まって匂いを嗅ごうとしても、私が先へ進めば体が引かれます。
愛犬も私も、常に小さな緊張を抱えながら歩いていたように思います。
犬育てを軸にしている専門家の方々から、もう少し余裕のある長さのリードや、ロングリードの良さを教えていただくこともありました。
けれど、その頃の私は、
突進する愛犬のリードを長くするなんて、怖くてできない。
そう思っていました。
しかも我が家は2頭です。
1頭でも不安なのに、2頭のリードを長くするなんて、当時の私にはとても無理だと感じていました。
数センチずつ伸ばせるリードから始めました
そんな私が使い始めたのが、長さを細かく調整できるDOG Copenhagenのリードでした。
短い状態から始め、必要に応じて少しずつ長くできることが、私には合っていました。
いきなり長いリードへ替えるのではなく、突進につながりにくい場所や環境を選びながら、本当に数センチずつ伸ばしていきました。
周囲に人や犬がいない場所。
広く見通しのよい道。
愛犬の体に緊張が見られないとき。
少しだけ長くしてみる。
不安を感じたら、また短くする。
そんなことを繰り返しました。
愛犬だけでなく、私にも「できた」が必要だった
- 少し長くしても、突進しなかった。
- 愛犬が匂いを嗅いだあと、自分からこちらへ戻ってきた。
- リードを張らずに、歩ける時間が、少し増えた。
その一つひとつが、愛犬の「できた」であると同時に、私にとっても、
少し長くしても大丈夫だった。
と思える成功体験になりました。
愛犬だけでなく、飼い主である私の不安にも、小さな段階が必要だったのだと思います。
経験を重ねるうちに、リードを握る私の手の力も、少しずつ緩んでいきました。
愛犬に少し動ける余白が生まれ、私にも愛犬の様子を見る余裕が生まれる。
その小さな変化が、互いにとってよい経験になったように感じています。
ハーネスとリードを見た目だけで選ばなくなった
愛犬の体の動きと装着時の負担を考える
それまで我が家にも、いくつかのハーネスがありました。
選ぶときに重視していたのは、おしゃれでかわいいこと。
洋服と合わせやすく、飼い主である私が気に入るデザインであることでした。
けれど、犬の体や歩き方について学ぶ中で、ハーネスは見た目だけでなく、
・前脚や肩を動かしやすいか
・首や気管の周辺に負担がかかりにくい形か
・脇に擦れたり、体の動きを妨げたりしないか
・愛犬の体型に合わせて調整できるか
といった点も大切なのだと知りました。
特に気になったのが、前脚の可動域です。
ハーネスのベルトが肩の動く部分にかかっていると、歩くたびに愛犬の自然な動きを妨げてしまうことがあるかもしれません。
それは人で考えると、肩まわりが窮屈な、体に合わない洋服を着たまま歩いているようなもの。
そう考えると、私にもイメージしやすくなりました。
一度の散歩では小さな違和感に見えても、毎日のこととなれば、愛犬にとっては小さなストレスの積み重ねになるかもしれません。
そこで我が家では、胸元がY字に見え、前脚や肩の動きをできるだけ妨げにくい形のハーネスに着目するようになりました。
ハーネスの形だけで、吠えや突進が改善するわけではありません。
それでも、愛犬が歩くたびに感じているかもしれない小さな負担を減らすことは、愛犬が心地よく過ごすための土台になると思っています。
散歩する環境や苦手なものとの距離を見直すことと同じように、体に触れる犬具を見直すことも、愛犬のQOLを支える小さな配慮のひとつでした。
我が家が愛用してきたDOG Copenhagenの犬具
ハーネスを使って感じた良かったところ
そうして選んだのが、DOG Copenhagenのハーネスとリードでした。

ハーネスは、胸元がY字に見え、前脚や肩を動かしやすそうだったこと。
首の前側へ力が集中しにくく、愛犬の体型に合わせて細かく調整できたこと。
さらに、首まわりにも着脱できる金具が付いていたため、頭からハーネスを通したり、使用後に頭から抜いたりすることが苦手な愛犬にも配慮できました。
体への負担だけでなく、装着するときの小さな「イヤ」も減らせたことは、我が家にとって大きなポイントでした。
実際に歩く様子を確認しても大きくずれにくく、愛犬の体の動きと気持ちの両方を考えながら使えたことが、長く愛用してきた理由です。
長さを調整できるリードが橋渡しになった
リードは「Urban Freestyle™ Leash」。
約115cmから最大約200cmまで長さを調整できるため、まだ短く持ちたかった時期から、少し余裕を持たせて歩けるようになるまで、1本で使うことができました。
短いリードしか持てなかった私と愛犬にとって、次の段階へ進むための、よい橋渡しになってくれた犬具だったと思います。
※実際に使用した商品のリンクは、準備ができ次第追記します。
今の愛犬に合う犬具へ買い替えを考えています
現在、我が家では、ハーネスとリードの買い替えを考えています。
愛犬たちも年齢を重ね、以前とは体型や歩く速さが少しずつ変わってきました。
今まで使いやすかったものが、今の愛犬にも同じように合っているとは限りません。
最近、私自身も職場で首から下げている社員証のストラップを、以前より負担に感じることがあります。
軽いものでも、長い時間身につけていると、少しずつ重さや違和感を感じる。
その感覚は、愛犬にも同じようにあるのかもしれないと思うようになりました。
毎日の散歩で身につけるものだからこそ、
「今の愛犬にとって重くないかな」
「歩くときの負担になっていないかな」
と、改めて考えてみたいと思っています。
これからは、体の動かしやすさや装着時の負担に加えて、より軽く、年齢を重ねた愛犬の体に負担の少ない犬具を探していきたいです。
実際に購入して使ってみたあとは、良かったところだけでなく、気になったところもこの記事に追記したいと思っています。

いきなり理想の形を目指さなくても、
今の愛犬と、今の私にできるところから、ほんの少しずつ。
その小さな積み重ねが、いつの間にか、以前とは違う愛犬との関係や、散歩の景色につながっていったのだと実感しています。

突進が当たり前だったぼくたち。
でもこのあと、もっと長いリードで、歩く方向や距離を自分で選べるようになっていったんだ。

まるで自由に歩いているように感じたロングリードのお話は、また別の記事で詳しく書くみたい。
この記事は、いち飼い主としての私の体験談と主観で書いています。
特定の方法や取り組みを否定したり、誰かを責める意図はありません。
ひとつの体験談として受け取ってもらえたら幸いです。


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