犬の吠えを改善したくて始めたトレーニングで悪化した我が家の失敗談

経験談

数ある犬のトレーニング方法。
どの方法が正しいのか。どの専門家を頼ればいいのか。
困りごとが大きければ大きいほど、
飼い主は迷い、焦り、早く答えを見つけたくなります。

今回は、我が家が最初に選んだトレーニングで、
結果的に愛犬の吠えや興奮を悪化させてしまった経験について書きます。

これは、誰かを責めるための記事ではありません。
特定の人や場所を批判したいわけでもありません。

ただ、当時の私は、
専門家にお願いした安心感から、目の前の愛犬の変化に気づくのが遅れてしまいました。
そして、その後のトレーニングにも、このときの悪化が長く影響してしまいました。

だからこそ、同じように悩んでいる飼い主さんには、できるだけ早く気づいてほしい。

吠えを止め、改善しているように見えること 」と、
「 愛犬が安心して吠えずにいること 」は、同じとは限らない。

そのことを、我が家の失敗談として残しておきたいと思います。

トレーニング方法が多岐で迷う時代。
我が家がまず最初に失敗した経験談が
参考の一つになりますように。

もっと早く気づきたかった、我が家の失敗談

昭和世代の私が迷わず始めたトレーニング

我が家がドッグトレーナーを探しをしたのは6年前のことです。
最初に見つけたのは訓練士さんが行っている
家庭犬向けのトレーニングスクールでした。

愛犬に勝手な行動はさせない!
飼い主に従えるコに!
飼い主がしっかりした指示を出せるように!

そして、
上手にできたことはしっかり褒める!
そのメリハリとタイミングが大事!

そんなような教えだったと記憶しています。

当時の私は、犬を飼う上で王道だと思っていました。

昭和世代の私の中には、犬には上下関係が必要。
飼い主がしっかりしなければ、犬が好き勝手してしまう。
そんな考えが、まだ根強く残っていたのだと思います。

「 吠え散らかしているのは飼い主が頼りないから 」

そんな助言も、当時の私には重く刺さりました。

私の関わり方が甘すぎたのだ。
もっと上手く “ ダメ!” を伝える術を身につけなきゃ
飼い主として、もっと強く、しっかりしなければ。

そう思った私は、迷うこともなく、わらにもすがる思いで
個別レッスンを依頼したのです。

時間と費用を用意して、専門家を頼ろう!
もうこれで大丈夫。
そうホッとしたことを、今も覚えています。

当時、専門家様を頼ると決めた頃の詳しい状況は、
プロフィールページにも記録✏️しています。

改善するはずだったのに

専門家を頼って安心したのは、ほんのつかの間でした。
素人の飼い主では気づけないほどの小さな悪化が、
少しずつ、でも確実に積み重なっていました。
今振り返ると、このときすでに、
悪化のループへ滑り落ちていたのだと思います。

最初は、改善しているように見えました。

トレーナーさんがリードを持つと、愛犬は指示に従い、吠えずに歩いていました。それまで困っていた行動が、目の前でパッと止まったのです。

すごい。
なんで?
魔法みたい。

私は、その姿に目を奪われました。

でも、同じことをしているはずの私では、
そう簡単にはうまくいきませんでした。

なぜトレーナーさんの指示は簡単に入り、
なぜパッと改善したように見えるのか。
そしてなぜ、同じことをしているはずの私ではうまくいかないのか。

当時の私は、
「 私のやり方が足りないのだ 」
「 もっと上手くならなければ 」
「 トレーナーさんの技術を盗まなければ 」
そう考えていました。

愛犬の様子を見るよりも、教わった方法を正しく再現することに必死になっていたのです。真面目に取り組めば取り組むほど、愛犬を悪化のループへ押し込んでいたのだと思います。

行動が止まることと、安心していることは違っていた

その後、行動の仕組みや犬の習性について学ぶ中で、
このときに目の前で起きていたことは、
犬にとって、とても素直な行動だったのだと理解できました。

行動が止まったからといって、愛犬が安心しているとは限らない。
吠えなくなったからといって、苦手が減ったとは限らない。

当時の私は、その違いを見分ける力がありませんでした。

目の前で吠えが止まる。
横について歩く。
指示が入る。

その「見た目の変化」に希望を強く持ってしまったのです。

“ マインド ” や “ エナジー ” への違和感

当時の指導の中では、
“ マインド ”
“ エナジー ”
といった抽象的な言葉を耳にすることもありました。

わかるような、わからないような…。
でも、専門家が言うのだから、きっと大事なのだろう。

私はそんな感覚のまま、真面目に、一生懸命取り組み続けました。

けれど、時間が経つほどに、心の中の違和感は大きくなっていきました。

やっぱり何かが違う…

1年近く経って、ようやくその違和感がはっきりしてきました。

その後、情報をアップデートしていく中で、
嫌悪刺激に頼らなくても犬に伝える方法があることを知りました。
むしろ、
嫌悪刺激に頼ることで、愛犬との関係を壊してしまう可能性があることも知りました。
そのときようやく、
「あの方法にこだわる必要はなかったのだ」と、
はっきり見えてきたのです。

専門家の指導だったこと。
真面目がすぎたこと。
そして、もしかしたら私は完璧主義なのかも知れない。

私が目の前の愛犬よりも、
トレーニングを成功させることに夢中になってしまった

それが愛犬を巻き込み悪化への根本的な原因になったのです。
その後悔は、今でも強く残っています。

それでも、必要な経験だった

もちろん、あの経験がなければ気づけなかったこともあります。

犬にまつわる “ 昭和時代の常識 ”
主従関係や上下関係。
飼い主が強くあらねばならないという思い込み。
犬の行動を、性格やわがままの問題として片づけてしまう見方。

それらを私の中から手放すためには、必要な経験だったのかも知れません。

でも、愛犬には本当に申し訳ないことをしました。
もっと早く気づきたかった。
その気持ちは、今も消えません。

今の私がはっきり言えるのは、トレーニングにおいて嫌悪刺激を用いることは、
愛犬との関係悪化のリスクを高める可能性があるということです。

もし一度、関係性が壊れてしまったら。
その修復にかかる時間と労力は計り知れません。
飼い主も愛犬も、深く傷つき、取り残されてしまうことがあります。

だからこそ今の私は、当時の自分にこの方法をおすすめしません。

愛犬の気質、性格、わがまま・・・
そんな言葉だけで行動の原因が片づけられそうになったときは、
一度立ち止まってほしいと思っています。

今の私ならそこで、スッと距離を置きます。

トレーニング用犬具は本当に必要だったのか

スリップリードの使用をおすすめしない。その理由

私がスリップリードなどの犬具の使用をおすすめしない理由も、我が家の経験の中にあります。

2箇所に渡った昭和時代からあるトレーニング方法への執着が止まったきっかけは、愛犬の足運びに異変を感じたことでした。😢

当時の私は、
「 どこで痛めたかな。」
「 しばらくトレーニングはお休みしよう 」
そのくらいに考えていました。

幸い、大事には至らず
本当に、本当〜に良かったです。

けれど今振り返ると、あのとき私はもっと深く考えるべきでした。

“ 合図 ” が伝わりやすいと言う理由で使用を勧められたスリップリード。

種が違う犬と人間。
それでも、頭と身体をつなぐ大切な首に、無限に絞まる道具を使うこと。
その危険性に、当時の私は気づけませんでした。

専門家が勧めている。
トレーニング用の道具である。
上手に使えば大丈夫。

そう思い込んでいました。

愛犬の首にかかる圧を、愛犬がどう感じていたのか。
そして、身体にどんな影響があるかもしれないのか。

それを想像する力が、当時の私には足りませんでした。

初めてスリップリードを使ったトレーニングを見た日のこと

初めて専門家の方に会ったあの日、
トレーナーさんはまず愛犬のリードをスリップリードに付け替えました。
そして愛犬を上手にコントロールして歩いてみせました。

そのとき、夫が小さな声で言ったのです。
「あれって、首、絞まっちゃうんじゃないの?」

私はその言葉を間違いなく耳にした記憶が残っています。

だけどその時の私は、
すぐに爆吠えが止み、上手に歩く愛犬の姿に目を奪われて
トレーナーさんの技術に憧れを持ってしまったのです。

凄い!!!!
凄い!なんで?魔法かな?!って・・・。

海外では、首に強い圧がかかる犬具の使用について、
法律やルールで制限されている国や地域があることも知りました。
日本の犬社会にも、
犬具の安全性や犬への影響について考える視点が、
もっと広まってほしいと願っています。

愛犬が見て感じていた世界

当時は想像すらしなかったことを今想像できるようになり、
当時の愛犬たちが悪化に至る原因が、後にたくさん見えてきました。

もし私自身が、首に絞まる紐を巻かれたまま、家事をしなさいと言われたらどうだろう。

少し動けば、首に圧がかかるかもしれない。
何が正解かわからない。
でも、失敗したら苦しいかもしれない。

きっと私は、動きを減らすと思います。
できるだけゆっくり。
できるだけ静かに。
余計なことはしないように。

そしてその状況の中で何かを学ぶなんてこと
できるだろうか・・・
安心して考えられるだろうか。
その紐を握る相手を信頼できるだろうか。

初めてスリップリードを使用した愛犬は、序盤で “ 絞まる ” を経験していました。
そして、そのリードを握っているのが飼い主である私だということも、きっとわかっていたはずです。

何すんだ!ふざけんな!
人間同士なら、喧嘩になってもおかしくない。

犬が本気で牙を剥けば、人間は到底敵わない。

その牙を持つにもかかわらず、愛犬はずっと、
飼い主の私が気付いてくれるのを
待っていてくれたのだと思います。ずっと。

苦手✖️爆吠え✖️絞まる が生み出した悪化

当時の私は、教わった通りにやっているつもりでした。
“ 合図 ” を使いながら、環境をみて、
上手にできたらしっかり褒める。

これでうまくいくはずでした。

だけど現実は、
“ 合図 ” のための道具を首につけ
緊張させたままの散歩を繰り返し
環境設定は曖昧なまま。

苦手な対象と突然出くわせば、
咄嗟に突進し、爆吠えがはじまる。
リードが張り、首が絞まることでストレスと興奮が更に高まってしまう

そして、そのとてもとても嫌な環境の中で、
必ず横には飼い主である私がいたのです。

これが、どれほど大きな影響を残したのか。

後になってから、痛いほどわかりました。

苦手な対象。
爆吠え。
首への圧。
飼い主の存在。

それらが重なり、愛犬にとって散歩そのものが、嫌な経験の積み重ねになっていたのかもしれません。

私はそれを、トレーニングだと思って日々何度も繰り返していました。

改善のためにやっていたはずのことが、悪化のループを生み出していたのです。

早く気づきたかったこと

この経験から、私は「すぐに吠えが止まること」だけを、改善とは見なくなりました。

行動が止まって見えること。
指示が入っているように見えること。
横について歩けているように見えること。

それだけで安心してはいけなかった。

愛犬の表情はどうか。
身体は固まっていないか。
周りを見る余裕はあるか。
苦手なものとの距離は近すぎないか。
飼い主のそばにいて、安心できているか。

そこを見なければいけなかったのです。

私は気づくのが遅れました。

そして、このときの悪化は、その後のトレーニングにも大きく影響しました。

だからこそ、同じように悩んでいる飼い主さんには、できるだけ早く立ち止まってほしい。

専門家に頼っているから大丈夫。
有名な方法だから大丈夫。
昔からあるやり方だから大丈夫。
目の前で吠えが止まったから大丈夫。

そう思っていても、愛犬の中では違うことが起きているかもしれません。

少しでも違和感があるなら、その違和感を消さないでほしい。

飼い主の違和感は、愛犬からのサインに気づく入口になることがあります。

私は、もっと早く気づきたかったです。

この経験をきっかけに、我が家では首に圧をかけて合図を伝えることよりも、愛犬が困らずに歩ける環境や関わり方を考えるようになりました。
首輪からハーネスへ変えた理由や、突進が怖かった私がリードを数センチずつ長くしていった経験については、こちらの記事にまとめています。

「ハーネスで伝わるの?」愛犬の吠え改善で気づいた“指示する”より大切なこと

まとめ:今の私なら選ばない

今の私は、首に圧をかけて行動を止める可能性のある道具や、嫌悪刺激を使うトレーニングを、愛犬には選びません。

これは、誰かを責めたいからではありません。

我が家の愛犬には合わなかった。
私の関わり方では、悪化を招いてしまった。
そして、その影響が後々まで長く残ってしまった。

その経験があるからです。

あの頃の私は、愛犬をよくしたい一心でした。
困った吠えを改善したかっただけでした。
愛犬との暮らしを、もっと安心できるものにしたかっただけでした。

でも、そのために選んだ方法で、愛犬を追い詰めてしまった。

その後悔を、なかったことにはできません。
だから私は、この記事を書いています。

同じように悩んでいる飼い主さんが、違和感を感じた時、少しでも早く立ち止まれますように。そして、愛犬の行動だけではなく、その奥にある不安や緊張にも目を向けるきっかけになりますように。

上手に歩けたんじゃなくて、動けなかっただけかもしれないって捉え方がちょうどいい

その道具で、安心は覚えられなかったよ

この記事は、いち飼い主としての私の体験談と主観で書いています。
特定の方法や取り組みを否定したり、誰かを責める意図はありません
ひとつの体験談として受け取ってもらえたら幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました