愛犬が人に吠えてしまう。散歩のたびにヒヤヒヤする。そんな悩みを抱えながら、私は良かれと思って始めたトレーニングで逆に状況を悪化させてしまいました。
試行錯誤の末にたどり着いたのは、「吠えをなくす」ことではなく、「愛犬を理解する」こと。人が苦手な犬との暮らしでわかった、犬目線の視点と私の失敗談をお伝えします。
かつての爆吠え散歩が、「上手に回避」できるようになった理由
理解が変えてくれた我が家のお散歩スタイル
過去の我が家は
「かわいいね〜」なんて言っていただくやいなや
注目されている。ただそれだけで
爆吠えで言葉がかき消されてしまうほどでした。
誰からも可愛がってもらえるコになれたらな…
そんな妄想をなん度もしましたし、
そうなる為に頑張っていた時もありました。
爆吠えや突進が改善された今も、
散歩中に声をかけていただくことはよくあります。
初対面の方から
「かわいいねえ〜」と声を掛けて頂いて
「ありがとうございます〜」と言いながら上手に回避。
「兄妹?親子?」そうよく聞かれることにも
「違うんですよ〜、全く違う所から迎えました〜」
と会話しながらそっと離れる。
爆吠えすることなく、会話することができてきて
お散歩がしやすくなっている今も、
初対面の方や慣れてない方とは
早めに距離をとるようにしています。
なぜ、“回避”するのか。
それは愛犬が人を苦手としていると知り、
深く理解しているからです。
困っていた頃は、
「吠えるか吠えないか」だけを判断基準にしていました。
でも現在は、“愛犬の様子”を観察するようになり、
心を汲み取ることを大切にしています。
リードで自由を制限している分、飼い主である私が愛犬の気持ちを理解してサポートする。
その視点に気づいてから、吠える必要のない環境を整えられるようになりました。
犬目線で気づいた原因と改善のヒントにも記したように
私自身は、苦手な対象と距離をとることや、
そもそも近づかないことをとても自然におこなっています。
このような無意識で自然にしている行動があることに
気付いたことも改善に繋がるヒントでした。
良かれと思った行動が逆効果に?犬の人嫌いを加速させる原因
犬を見かけた人がやりがちな「実は犬たちが苦手な行動」
犬のことを何も知らなかった頃の私は、
人間側の関わり方が人嫌いを加速させている可能性があるとは思ってもいませんでした。
よく見かける、こんな行動。
- わぁ〜! 高い声や大きなリアクション
- わんちゃんだー! 正面から勢いよく近づく
- かわいい〜! 撫でようと手を伸ばす
- おりこうね〜 覆いかぶさるようにしゃがみ込む
- お名前なぁに〜 目を合わせてじっと見つめる
私自身もそうでしたし、よく目にする光景です。
種の違う人間社会の中で
犬は言葉もその意味も理解できない。
そんな犬の立場に自分を置き換えてみたとき——
初対面でのこういった行動は、もともと怖がりな愛犬にとって
「ちょっと苦手」をじわじわ悪化させてきた可能性が十分あると思いました。
「犬はどんな環境にも順応して言うことを聞くもの」
そう思っていた頃には気づけない視点です。
犬好きな方が優しい気持ちで関わってくれていることに変わりはありません。
だからこそ、
犬との関わり方の情報がもっとアップデートされていけば——
怖がりでナイーブな犬でも困らない環境を、
自然に提供できる社会になっていくと信じています。
「飴と鞭」のクレートトレーニングが人嫌いに影響した実体験
我が家が最初の頃に受けていたトレーニングが、
人嫌いを強めた原因のひとつだったと今は感じています。
特に、来客が苦手だった愛犬に
自宅内のお悩み解決に向け、
クレートトレーニングを取り入れました。
一人目、二人目のトレーナーさんはまず、
楽しくクレートに入る方法を教えて下さいました。
ですが、
何度か出入りを練習し、入ることを覚えた後は…
「出たい」と言う愛犬のサインに対して、「NO!」
扉を“パチン!!”と閉め直したり、
クレートの屋根をバンッ!と叩いて
“我慢”を教える。という方法でした。
その我慢の時間を少しずつ伸ばしていくことで、
“諦めて大人しくしている”状態をつくっていく
ということでした。
諦めて大人しくしている様子と、
安心して穏やかにいられる様子は、
一見、とても良く似ています。
愛犬の心の中を深く想像することでみえてくるものは
本当におおきく違うものでした。
当時の私は、諦めさせることに違和感を感じていませんでした。
大人しくできれば、それでいい、と思っていたのです。
でも後から振り返ると、このトレーニングは愛犬に
「家に人がくる=嫌なことが起きる」という印象を
強く結びつけてしまっていたかもしれません。
その確信に変わったのは、3人目のポジティブトレーニングの
トレーナーさんがカウンセリングに来たときを思い返すと
すでにひどく荒れていた愛犬は、
飼い主がまた見知らぬ人を連れてきたと感じたのか——
強く警戒し、突如噛みつきにいったのです。
SNSで見かける”優しそうな方法”に潜む危険
この経験を振り返った今、
SNSで見かけるある方法がとても気になるようになりました。
人嫌いな犬の興奮した行動を抑えるために
犬具やマズルガードを使いながら、
優しく撫でることを繰り返す。
リードを短く持ち、
寄り添いながらゆっくりアプローチする——
一見、犬に寄り添った優しい方法に見えます。
でも私は、これをとても危険だと感じています。
その理由は、犬側に選択の自由がないからです。
「嫌だ」というサインを聞いてもらえない。
小さなサインでは伝わらないと学習してしまう可能性があるからです。
安全のためのリードやマズルガードが、
「諦め」を植え付けるために使われて、
逆効果ではないかと感じています。
以前我が家でも
改善したように見えていた愛犬が、
突然、噛みつくなどの大きな行動になった経験をしました。
「トレーニングで良くなっていたはずなのに、なぜ…。」
本当にやり場のない思いをしました。
ですが今思えば、
諦めと我慢で大人しくなっていた愛犬は、
小さなサインでは伝わらない経験を繰り返していたことで、
限界を超えたとき、「もっと強い行動をするしかない」
という状態に追い込まれていたのだと思います。
自分に置き変えて想像してみると
苦手な相手が隣にいて、首に紐が巻かれている。嫌だと言えない。離れたいのに離れられない。
暴れたら静止させられる。逃げ場がない——。
その状態で大人しくなることを「穏やかになった」「従順になった」と呼ぶとしたら、
それは本当に改善といえるのでしょうか。

人間目線の”優しい対応”が、愛犬の目線ではどう映っているか。
常に問い続けることが大切だと感じています。
愛犬の「苦手」を根本から改善するために必要なこと
時間をかけて「大丈夫」の経験を積み重ねる
愛犬の人嫌いを改善するために、本当に必要だったのは、
愛犬に対して“何もしないこと”でした。
犬自身が「自分から近寄ってみようかな」と思えるような環境づくりや配慮から。
愛犬が自分で対処できた経験を少しずつ重ねることで
一歩、また一歩、「大丈夫だったね。」を
時間をかけて見守りしていく。
本当にそれだけでした。
そんな単純な事が、
悪化させてマイナスからのスタートだった我が家では、
本当に本当に時間がかかることでした。
悪化してからの改善には時間と労力がかかる。
犬育てを発信している専門家の方々がよく仰っています。
本当にその通りです。
まとめ|「犬の諦め」ではなく「心の安心」を選べる未来へ
「諦めて大人しくしている姿」と「安心して穏やかに過ごしている姿」。
一見似ているようで、その中身はまったく違います。
かつての私は「従わせること」が解決への近道だと信じ、
愛犬のサインを「わがまま」だと誤解していました。
そんな私の失敗から見えた捉え方が、
愛犬との向き合い方をアップデートする
どなたかの「予防」のヒントになればと願っています。
どれほど小さな「嫌だ」のサインも、飼い主だけは汲み取ってあげられる。
その視点ひとつで、
愛犬との世界はもっと優しく、安心できるものに変わっていくはずです。

諦めるしかない状況になっていると気付いてくれてよかったよ。
怖がりなぼくに選択肢があることは大きな安心につながったよ。

ママたち人間目線なら間違いなく優しい関わり方。
だけど、私たちの背景を汲み取った関わり方を考えることが鍵だったよね。
この記事は、いち飼い主としての私の体験談と主観で書いています。
特定の方法や取り組みを否定したり、誰かを責める意図はありません。
ひとつの体験談として受け取ってもらえたら幸いです。



コメント